【フレンチカット】の系譜
最初にことわっておきますが、長いです。
ご興味ある方のみ、ご覧くださいませ。
今回、こうして久しぶりにつらつらとブログに書き起こそうと思ったのには理由があります。
今、自分は新卒からずっと同じ職場で美容師をしています。
(学生の時に別のお店でバイトしてたのですが、ただのシャンプーマンでしたので)自分という美容師の力は今のお店で先輩から教えて頂いた力で成り立っています。
現在勤めているBRUNORiveGaucheは
自分の地元のお店。
当然昔から知っていたし
生まれて初めて床屋がイヤだと駄々をこねて、お邪魔した美容室でもあります。
そう。つまり自分にとっての美容師の原点と言えるお店で働いているのが今の現在地。
こうして働かせてもらっていることに感謝の気持ちもあるし、自分の持てるスキルはこのサロンの為に発揮したいと思いながら勤めています。
ですが、自分は現職の内定を頂く前に2社ほど別のサロンを受けました。
それは、自分が客として通っていた美容室に入社志願するということは
僕もサロン側も「気まずい」のでは…。
そう考えていたから。
ですが、僕は今こうして働いています。
結局、入社を志願したのには
「僕の美容師の原点の場所」
の他に、もう一つの
「働きたい理由」が出来たからでした。
実はこの、もう一つの「働きたい理由」。
今のサロンで勤めているなかで
正直、忘れてしまっていました。
正確に言うと、いつの間にか自分の頭の中で埋もれてしまっていたのでした。
そのもうひとつの「働きたい理由」が
「Bruno pittini ブルーノピッティーニ」
自分の世代では知る人も少ない
一人のフランス人美容師の存在です。
もうすぐBRUNOの命日。
その、自分の中で埋もれかかっていた理由を忘れないように、今回はブログに書いていこうと思っています。
9年前になると思いますが…
僕は当時、美容学生。
とりあえずワインディングとローラーが下手で、カットとシャンプーが好き
そんな学生だったんです。
ある日、学生対象のセミナーの授業がありました。
今でこそ、その方のセミナー見れるってなったら「マジ!?」って喜びますが
当時の僕は世間知らずの美容学生だったので
「へー。」
って感じでした。自分を恨みます。
ちなみに、その方とは
ZACC 高橋和義さん です。
セミナーは滞りなく進んでいたことを
覚えています。
始めにZACCのサロン紹介から始まりました。
当時のZACCは確か、5店舗?くらいあって
プリム
ヴィ
コパン
ミニヨン
ラフィネ だったハズ…
当時の僕は本当に素直な気持ちで
高橋さんは一体どんな志で
ここまで明確なコンセプトとこだわりの
詰まったサロン展開をしてるのだろう。
誰をマネして誰を追いかけ
ここまで登り詰めたのだろう。
って気持ちになりました。
その後も、とても柔らかい手さばきで
カットしていたのを覚えています。
その当時、勝手にイメージしていた
ストロークカットだぁズバババーッ!
みたいな派手なカットじゃなくて
穏やかに淡々と切る。
そっちの方がカッコいいって。
ZACCのこともよく知らなかったクセして。
その短時間で、僕はとてもドキドキ
させられたのを覚えています。
最後に質疑応答の時間が来ました。
普段はここで挙手するような自分じゃないのですが
この日はどうしても聞きたかったのです。
「高橋さんが尊敬する、目指す美容師さんはいますか?」と。
僕が挙手して
学校の先生がマイクを貸してくれて
質問することが出来ました。
高橋さんは
「そうですねー。」
って、少し間を持たせたあと
「ブルーノさん、ですね。」と。
あの時あの瞬間、一体どれ程の生徒がその名前にピンと来たのだろう。
僕は震えました。
ブルーノという美容師を僕は知っていたから。
僕がよく知る美容室が
その名を看板に掲げていたから。
その後、
在学中には、海外の美容や文化を知りたかったので
パリとNYの研修に参加しました。
そこでも影響を受けて
海外の美容師カッコいいなって
フワフワと憧れたのですが
パリとNY。この2つの都市が
BRUNOの縁の街だと知ったのは、もう少し後の話でした。
入社してからは
幸い、求められたら応えたい性格だったこともあり
入社1年目からヘアショーの構成に携わったり、撮影について行ったり
沢山の経験とチャンスを頂きました。
BRUNO本人から直接指導を受けた
グループの講師の方にご指導いただくことも出来ました。
そうした色んなシーンの中で、
BRUNOってどんな
美容師さんだったのかを知ることも
出来ました。
絶対的なカリスマ
ダイナミックで繊細
「BRUNOのことを知りたい。」
このサロンを志願したもう一つの理由です。
会いたくても会えない美容師です。
だけど、この先も憧れ続けるんだと思います。
フレンチカットが、僕のベーシック。
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